今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
「俺、街出てくる前に喧嘩やって口の中切れてんだ」
「っあ、」
伸びてきた手が、上唇をなぞり。
「だから、軽く……な」
響平は人差し指と親指で私の口をわずかに開かせると、そのまま2本の指を中に差し入れてきた。
キス、するんじゃないの……?
響平の指先を噛んだ状態。
少し大きく開けば、さらに奥に入ってこようとするから、慌てて力を入れた。
「痛っ」
と、低い声が笑う。
なぜか満足気に目を細めて、見下ろしてくる。
その笑顔が妙に艶っぽく見えてドキリとした。
「やっぱお前、可愛いよな」
私の唇からゆっくりと離した指先に、響平が自分の唇をそっと近づけるから
直接キスされたわけでもないのに、心臓がドキンと跳ね上がった。
すぐ、可愛いって言う。
口癖みたいなものかもしれない。
私なんかにもそう言ってくれるんだから、本当に可愛い子には、もっと、とびきり甘いセリフを吐くに違いない。
──美月ちゃん、にも……?
もやっとなった私をよそに、響平はいつのまにか胸元まで服を捲り上げていた。