今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -

「なあ。ほんとに俺以外知らねぇの?」


耳元で低い声。

知らない。
知るわけない。



「嘘ついてねぇよな」

「……つかないよ」

「だったらいい」



なんのための確認だったのかわからないけど、小さく笑った顔は満足げだった。



「平気か? てか俺がもう無理だから、やめてはやれねぇけど」

「う……」

「う?」



答えを待つ間も、大きな手は私を甘やかすことをやめない。


引きずりこまれて、呑まれて……溺れる。

さんざん焦らされて焦らされて。


そのたびに好きな気持ちが募るから――。



「わ、わたしももう、がまんするの、むり、だよ……」



本音と一緒に、涙がぽろりとこぼれた。
< 156 / 327 >

この作品をシェア

pagetop