今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
「瑠花」
何?と顔を上げると、目の前が暗くなり。
ちゅ、と触れるだけのキスが落ちてくる。
「街に来たときは、最初に会ったやつに俺か泉の名前を言えばいい。そしたらすぐ会えるはずだ」
わかった、と返事をしてふたりを見送った。
響平に、また会える。
そのことで頭がいっぱいだった。
自分の部屋に戻って、ベッドに横になっても
考えるのは響平のことばかり。
いつの間にか、眠りについていた。
幸せな夢を見た気がする。
心地よくて、夢の中で、ずっと覚めなければいいと何度も思った。
──そのときはまだ知るはずもなかったから。
今日の出来事が、引き金になってしまったことを。
響平が“あの街の外“に出る、ということがどれほどの意味を持つことなのか──。