今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
ふと、視線がこちらに向けられた。
「本気で好きなら、優しさなんか捨てろよ」
わずかに揺れた瞳。
心の深い部分が波立った。
「……違う。私は優しくなんかない……」
響平と美月ちゃん。
すごくお似合いだと思う。
お似合いだから羨ましい。
──目をそらしたくなるほど、響平の隣に堂々と立てる美月ちゃんが羨ましい。
「私が真っ直ぐぶつかっていけないのは、優しいからじゃない。私が美月ちゃんになれないから、……だよ」
敵わないし叶わない。
「響平の忘れない子は美月ちゃんで、美月ちゃんも響平が好きで……だから、どうしようもないじゃん」