今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -

その時点で、私の入りこむ隙なんてあるわけもなく。



「それに美月ちゃんは可愛くて、明るくて、私なんか、到底……」


自分で言いながら悲しくなってくる。


美月ちゃんのいいところを挙げれば挙げるほど胸の痛みが増していく。

そんな私の体を、ふわりと温かい体温が包みこんだ。



「旗中は可愛いよ」


びっくりして息が止まる。



「……国吉くん?」

「俺も、優しくなんかない。ずるいことばっかり考えてる。今なら、もしかしたら…って」


状況が吞みこめない。


国吉くんの、こんな熱っぽい瞳は見たことがなかった。


あまりの近さに頭がクラクラする。

……どういうことなの?



ふと、体がバランスを崩した。


ソファの背もたれから滑り落ちて、私を軽く抱きしめていた国吉くんも、その勢いで倒れこむ。
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