今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
反射的に、国吉くんの胸板を押し返して離れたけど……。
「瑠花ちゃん、国吉くんただいまー!」
真っ先に聞こえたのは美月ちゃんの声。
そこに目を向けようとしても全身が硬直して、呼吸をすることさえ忘れてしまった。
響平もそこにいるはず。
――くっついてたの、見られてない、よね?
何もなかった風を装って、笑顔をつくってふりむいた。
「おかえり! 雨大丈夫だった?」
「うん! さっきより弱まってたよ! ね? きょうくん」
「ああ」
短く返事をした響平は、私には目を合わせてくれなかった。