今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
「きょうくん、どこ行くの……っ?」
美月ちゃんが引き止めても振り返らない。
私は背中を呆然と見つめる。
どうしよう。響平は国吉くんと私の関係を誤解してる。
いちゃついてたわけじゃないのに……。
みんなで遊んでるときに、辛気くさい空気をつくった私に腹を立てるのはしょうがないけど、せめて、誤解だけは解かせてほしい。
叶わなくても、私が好きなのは響平だってわかっててほしい……。
「響平……っ」
息を弾ませて、駆け寄った。
振り向いた相手は、顔をしかめる。
「なんだよ」
面倒くさい、うんざり。
そんな、あからさまな態度。
予想以上の冷たさに、思わずぐっと言葉に詰まった。
「私……国吉くんと、は」
頭が真っ白。
次のセリフが出てこない。
「国吉くんとは、そういうのじゃないの……」
なんとか紡ぎだすと、響平は小馬鹿にしたような笑い声をあげた。