今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
黒を纏った冷たい瞳が向けられると、じわりと涙が滲んだ。
「つうか、お前みたいな女が一番嫌いなんだよ。純粋なふりして男なら誰にでもいい顔すんだろ」
どうして、そんなにひどいことばっかり言うの。
どうして、好きな人にこんなことを言われなきゃいけないの。
「あーあ泣くなよ。ほんっと都合がいいな。悪かったよって頭撫でながら、優しくしてもらえるとでも思ってんのかよ」
もう何を言っても無駄だと悟る。
仮に今、好きだと伝えても鼻で笑って流されるに違いない。
背を向けていた響平が、ふと私に向き直った。
「けどまあ、」
視界がふと暗くなる。
「お前の泣き顔は好きだったかも」
ちゅ……、と。
唇に、柔らかい感触。
上唇を軽く噛むと、ゆっくり離れていく──。