今夜、最強総長の熱い体温に溺れる｡ - DARK&COLD -

それでも、自分に向けられた「好き」という言葉に、心は確かに熱を持つ。



「返事はいらない。付き合おうって言うつもりはないし、夕立のことを好きなのは知ってる。……友だちとしてそばに居られれば、今はそれでいいよ」



うん、と頷いた。

傘を傾けて、国吉くんを見上げて、きちんと受け止めたことが伝わるように。



「うん。……ありがとう」



それからも雨は弱まることなく降り続け、靴の底のほうから少しずつ染みていった。


お互いなにも話さない。

雨粒が絶えず傘をたたいてくれるからか、不思議と気まずさはなかった。



美月ちゃんは響平に、街の境まで送ってもらったりするのかな……。


そんなことぼんやりと考えていると、道行く人とすれ違いざまにドン…と肩がぶつかった。