今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
わずかな抵抗は虚しく、黒のトレーナーがはぎ取られた。
私をすっぽりと包んでいた大きなものが奪われた瞬間、そこ知れない寂しさが襲いかかる。
熱のせいで、思考回路はぐちゃくちゃで、現状を把握することすら難しかった。
ただ、心が響平だけを求めていた。
「………響平、」
助けて
──助けにきて。
あの無遠慮な手で触れてほしい。
あの低い声で名前を呼んでほしい。
美月ちゃんじゃなくて、私の名前……。
「響平……っ」
いやな笑い声が空間に響いた。
「呼んでも来ねぇよ。あいつは監獄の中。出たくても出られねぇんだよ、あの檻からはな」