今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
シャッターを切る音。
布の擦れる音。
下品な笑い声。
熱に侵されて、現実味のない風景。
くらくら、目眩が止まらない。
もしかしたら悪い夢なのかもしれない。
だって、こんなこと、現実で起こるはずが……。
「お前、そっち側回れよ」
「…………」
「おい! 聞いてんのか? なにやってんだよ」
「……っ。それが、いきなりコンピュータが誤作動起こして……エ、エラー画面に」
「あ?」
乱暴に手が離された。
「あっ……画面が勝手に……。やばいですよ。たぶん侵入されました! このままじゃ、中のデータもろとも壊されます……っ」
「はあ? できるわけねぇだろ。こっちは裏回線使ってんだぞ!」
「……さっき、麗然の情報通のことを“泉”って言いましたよね。俺、思い出したんです。──笹垣泉……あいつは、」