今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -


「とにかく相手の侵入を止めろ! お前ならできるだろ!」

「っ、無理です。すでにロックがかかってます。遠隔操作……このコンピュータは、もう完全にあっちのものです。おそらく、笹垣泉が……」



男たちの息を呑む気配がした。



「先輩、画面が切り替わりました。音声回線に接続されます……」



砂嵐のような雑音のあと。
それに紛れて、誰かの笑い声が聞こえた。


機械を通した、少しざらついた声は――。



『部屋から出るな』


……泉くんのもの。



『一歩でも外に出たら、……お前ら、殺されるよ』



不敵な笑顔が想像できる、冷ややかな響き。




『あーあ。うちの響平くんを怒らせたら
いけないんだぞ~……ってね』


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