今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -

小さく笑う気配がした。

いつもの馬鹿にしたような笑いじゃなくて、ちょっと優しい響き。



「へえ。俺は夢なんだ?」

「……うん」


「そばにいてほしーの?」

「……うん」


「嫌だ」


……え?
じわっと目の奥が熱くなる。

胸がちくりとした。

夢なのに、痛みだけはやけにリアル。



「……って言ったら?」


見上げると、涙で響平の顔がぼやけて見えた。



「……ったく。そんな顔、どこで覚えてくんの」



直後、ふわりとベッドが沈んだ。
響平の重みで。

私の上半身をやんわりと倒して背中をつけさせる。



「抱きしめててやるから、眠りな?」



小さい子を甘やかすような口調。

響平のこんな声は聞いたことがない。


胸がきゅっと狭くなる。

現実でも、このくらい甘かったらいいのに。




「……響平、遠いよ……」

「うん?」


「もうちょっと、近くに来て……」

「……ん」



ゴツゴツした手が私を引き寄せる。
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