今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
いよいよ酸素が回らなくなり、無意識に袖をつかんだ。
それに気づいた響平は小さく笑い、角度を変えながら呼吸のタイミングを与えてくれる。
それを何度も繰り返すうちに、教えられなくても、なんとなく感覚がつかめてきて。
「……そう、上手」
……やっと、わずかながら余裕を手にできたと思った瞬間。
「ひゃっ……」
慣れた動作で組み敷かれ、うわずった声がもれた。
──そこから先は、1ミリの余裕すら与えてもらえなかった。
期待させるようなことをしないでほしいのに、存在を確かめるように優しく触れてくる。
少し強引に攻めてきたかと思えば、すぐ焦らしてきて。
「きょーへい、……」
思わず名前を呼ぶと、意地悪く笑う。
そのたびに、どうしようもなく好きだという気持ちが溢れてきて泣いてしまった。