今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -


どうして泣いてしまうのか。

止められないから仕方ない。



そして、響平は絶対わかってない。

たぶんわかろうともしない。



理由なんてどうでもいい。

……泣き顔が好き、なんて言う人だから。




「唇、噛まなくなったな」


“いい子”

低い声でそう言って、子どもをあやすみたいに頭を撫でられた。



だから、勘違いするからそういうことしないで……。



気だるい甘さが全身を支配して、ゆらゆら、眠りの世界に落ちていく。



最後に一度、唇が重なった……ような気がする。

意識はぷつりと途切れた。
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