今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
私のセリフを遮るように美月ちゃんはそう言った。
「国吉くんは1年生のときから瑠花ちゃんのこと好きだったんだし、絶対大事にしてくれると思う。ちゃんと応えてあげてほしいな」
……なにそれ。
涙が滲みそうになる。
好きな人と結ばれた美月ちゃんにはわからないよ、と叫びたくなる。
国吉くんと付き合えばいいとか、まるで私の気持ちを無視した言い方をしてほしくなかった。
たとえ叶わなくても、響平への気持ちは大事にしてたのに……っ。
嫌な思考が止まってくれない。
こんな自分が悲しかった。
なんとか繋ぎ止めただけのぼろぼろの心を、見せないように、悟られないように。
「わかった」
そう、ひと言返すだけで精いっぱいだった。
もう絶対にこんな思いはしたくない。
これ以上響平のことは考えたくない。