今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
スーツに姿。
前のジャケットは開いていて、ネクタイの結び目もゆるい。
……あ、だめだ。
顔を見ただけなのに泣きそう。
私、まだ好きなんだ……。
「……は?」
低い声が落ちてくる。
黒い瞳は、ゆっくりと瞬きをする。
「いや、うん。……は?」
お化けでも見るみたいな顔。
予告もなく響平の前に現れたんだから、その反応は間違ってない。
響平は手を伸ばして、私に触れるか触れないかの距離で止めた。
「……なんで来た?」
……泉くんに言われたから。
だけど、本当は。
「……から」
「なに?」
「響平に、会いたかったから……」