今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
勇気を振り絞ったのに、響平は何も言わない。
感情の読めない目で私を見下ろして、このまま無言を押し通すのかと思えば。
「美月は?」
胸を焼かれたような痛みが走る。
会いにきたのが美月ちゃんじゃなくてごめんなさい。
口にしたら泣いてしまいそうで、心の中に閉じこめた。
「お前、ひとりで来たの」
「……うん」
「ふうん」
そっけない。
迷惑がられてる……?
「ごめん、やっぱり帰るね。響平、忙しいんでしょ?」
一歩退く。
「俺に会いにきたんだろ?」
「……うん」
「なら、帰らなくていい」
腕をつかんでくるから……そういうところが、本当にずるい。