今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -


震える足に力をこめて立ち上がる。


「響平、私のことはいいから、それより早く、救急車呼ばなきゃ……」


背中を後ろから抱きしめると、やんわりと拒否される。

次の瞬間、再び銃の破裂音が響き、思わず身が縮んだ。



「君は早く帰りなさい」

 男性が私に向けて静かに言葉を放つ。


 どうやら空砲だったみたいだけど、私を怯ませるには十分だった。



「下がっとけって言ったろ」

「だって……」


「来た道戻れ。……外に出たら泉を探して、帰りは街の入り口まで送ってもらうんだ」

「響平、」

「大丈夫……だから。……早く行け」


素直にうなずけない私の頭をそっと撫でて、「瑠花」と名前を呼ぶ。
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