今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -


「銃声聞こえて焦った……。大丈夫? 怖かったね」

「……響平のこと、助けて……」


「あいつ“あの人”に撃たれたの?」

「あの人、とか言われてもわかんないよっ」

「ああ、ごめんね。あの人っていうのは、俺たち麗然会の創設者だよ。響平が脱走するたびに、閉じこめてた人」


 そんな平然と説明されても……。

 泉くんは、どうしてそんなに冷静でいられるの?



「心配しないで。せいぜい足を撃たれたくらいっしょ?」

「そうだけど、でも、血がたくさん……」

「大丈夫、大丈夫。死にはしない」



言葉を失ってしまう。

死ぬとか死なないとか、そういう問題じゃないのに。



「暗黒街では、これが普通なの?」

「……いや、普通じゃないよ。響平が特別なだけ」



なに特別って……。
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