今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
情けの視線を向けられるならまだマシなほう。
見るからに無理やりどこかへ連行されている私を見る目は、ほとんどが好奇に満ちていた。
噂通り。……この街は狂ってる。
「ついたぜ」
路地を抜けると、痛いくらいに眩しいネオンが目を刺した。
目の前を、腕を組んだ男女が笑いながら通り過ぎていく。
ラブホテル街だって、初めてでもわかる。
どうしよう、このままじゃ……。
漠然と感じていた危機が、ようやく現実味を帯びてくる。
「やっぱ女子高生はイイよなあ。その怖がってるカオも新鮮でカワイー」
「ほーんと。顔もなかなかだし、この白い肌もたまんないね」
無遠慮に頬を撫でられて寒気が走った。
自分の鼓動が、いやにはっきりと聞こえる。