今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
──そうだ、泉くんに連絡すれば。
病院内ということでスマホの電源は切っていたけれど、知らせるなら早いほうがいいに決まってる。
一旦外に出ようと立ち上がれば、同じタイミングで北村さんが廊下から顔をのぞかせた。
「瑠花ちゃんおまたせ。先生の許可が下りたから、面会して大丈夫だよ」
「あ、ありがとうございます」
「……夕立さん、今は眠ってらっしゃるんだけど、意識は完全に戻ってるし、脈も安定してて、今後はもう心配ないみたい。長期的なリハビリが必要だから、退院できるのは、ものすごく先になりそうなんだけどね」
……よかった。
たとえ体が動かなくても、意識さえあれば、響平と目を見て会話をすることができる……いつかきっと。
「わたしは別の仕事があるから一緒に行けないんだけど、大丈夫だよね。夕立さんの病室は、507号室だから」
「はい。ありがとうございます」