今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -


柵を抜けて、細いコンクリートの道を進む。


屋根がないせいで小雨が体を濡らすけれど、気にする余裕もなかった。

右手に持った傘を差すことも忘れて、先を急ぐ。



髪が乱れる、息が上がる。


「──響平……っ」


雫を乗せた花たちが、外灯に照らされてキラキラと光っていて。

奥の花壇の、中心に仰向けに倒れている人影を捉えた。

いったん足を止めて、深呼吸をする。



「……響平……?」


ゆっくりと近づいた。


胸がわずかに上下している。


本当にいた。


雨の中、花に身を預けるようにして……。

これは、……眠っているの……?



静かに傘の紐を解いて、響平に傾けた。



「響平、風邪引くよ………」

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