今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
響平はポケットから一枚の写真を取り出して、空にかざしてみせた。
「隣に、俺の母親が写ってんだもんな……すげぇ、幸せそうな顔して」
思わず涙がにじみそうになる。
響平はそれ以上は言わなかった。
何を考えているのかはわからないけれど、浮かんでいる表情は、怒りでも、失望でもなかった。
「……あとね、もういっこ言いたいことがあって」
今度は私が切り出す。
響平は、うん?と優しく耳を傾けてくれる。
「……ちゃんと聞いてね?」
「内容による」
「聞いてよ。大事な話なの」
念を押すようにそう言うと、わかったよ、と小さく笑う。
「響平」
「うん?」
「……、……好、きだよ」