今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
まるでミラハーハウスのような鏡の壁。
大きな入り口。
ガランとした大きな部屋。
「ちょっ、響平……っ」
中に入って靴を脱ぐなり、響平はひょいと私の体を持ち上げてベッドまで運んだ。
下ろされて、ふわりと沈む。
ぎゅっと抱きしめられた。
「……っ、なんで抱きしめるの」
「まだわかんねぇの? わざとだろ。言わせたいのかよ」
だって、まだ聞いてないんだもん。
「言ってよ。言ってくれなきゃわかんない……」
涙が滲む。
響平が目をそらした。
「だから。お前に泣かれると興奮するんだって。……いつからそんな、泣き虫になった?」
そんなの知らない。
焦らさないで、早く言ってよ……。
私は言葉がほしいのに、響平は無理やり唇を塞いでくる。
「……──っ、きょうへい、」
「こういうことお前にしかしない」
至近距離で視線が交わった。
意地でも言わないつもりだ。
でも、ずるい。
言葉がなくても、ちゃんと伝わってくる……。