今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
「ね、ねえ。この会合って、どんなことするの?」
「あー。活動発表会みたいなもんだよ」
「活動発表会って……。そんな平和な感じには見えないけど……」
「簡単に言えば、敵対組織とかとの現状とか、今後のことについて話合うって感じだな」
闇の街の敵対組織……。
どうしよう、今さらながら怖くなってきた。
そんな気持ちを知ってか知らずか、響平は私の肩に手を回し、無理やり前に押し出した。
全員の視線を一気に集めてしまう。
「こいつの顔覚えといて」
なんとなく気だるさを感じる口調。
ふと、隣でかがみこむ気配がして同じ高さで視線がぶつかったかと思えば、次の瞬間、響平の唇が私の頬に軽く触れた。
「……!」
び、びっくりした……!!
動作と一緒に思考も止まってしまう。
急に……
しかも人前でこんなことするなんて、心臓に悪すぎる。
「瑠花って名前。俺の女。街のやつらにも言っとけ。手ぇ出したら殺すって」
それだけ言うと、空けられていたテーブルの前まで歩いていき、近くにいた赤髪の男性に目を向けて。
「俺の隣にこいつの席用意しろ」
命令された相手はすぐに頷き、響平の席の隣に椅子を並べると頭を下げた。