今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -


座れよ、響平が目で言うので、おずおず従った。


「もっと近く来な」

優しめの口調でそう言って、座った私の肩を抱いた響平。


演技とはいえ、甘さを見せられるたびにドキドキする。


泉くんは、響平とは少し離れた位置に座った。


ロの字型になっているテーブル。
響平が座っているのは、一番手前の列のど真ん中。


聞いて確かめなくてもわかる。
響平が、この場を仕切るトップの人間だってこと。


つまりは、麗然会の総長……?


全員が席について話し合いのようなものが始まっても、緊張で内容が少しも頭に入ってこなかった。

ただ、穏やかなものでないことは、ときおり聞こえてくる荒々しい響きの言葉から伝わってくる。


私がビクリと肩を震わせるたび、響平はそっと背中に手を回してきた。

大丈夫だと言うようにあやす手つきでゆっくり撫でる。

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