今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -


響平の優しさなのかもしれない。
それが何度か繰り返された。


そうしながら響平が低い声で「静かにしろ」と言えば、場がどれだけ荒れていても瞬く間に静まり返った。



「いいか。毎回言ってるが外部との抗争はなるべく控えろ。決められた日以外は街の外に走りに行くな。連中と街で喧嘩吹っ掛けられても、組織ぐるみの事情じゃない限り相手にするな」


わかったな、と響平が念を押せば、さっきまで抗議していた人物たちも「はい」と丁寧に頷いた。



やがて話し合いが終わると、響平は誰よりも早く席を立ち、私の腕を引っ張った。



「響平と瑠花ちゃん、どーこ行くの!」


泉くんが声を掛けると、私をさらに引き寄せて。


「るせぇーなあ。これからお楽しみなんだ、ついてくんなよ」



にやりと笑ってそう答えると、周りの視線から隠すように私の肩を抱いた。


ふわり、シトラスの匂い。

触れられるたびに熱くなる……。


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