今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
「だから戻ってきた。助けるとかガラじゃないけど、なんつーの?……まあ、チョット興味あるってこと」
響平が何やら丁寧に説明してくれてるけど、これから最上階に行ってなにをするんだろうって。
頭の中はそのことばかり。
優しく肩を抱かれてつい頭の中まで恋人モードになってしまってたけど、相手は暗黒街の支配者。
そんな危ない人物の誘いに乗っても大丈夫なの……?
いやいや、どう考えても大丈夫じゃない!
女の人には慣れてるみたいだし、私も遊ばれてるってことだよね?
でも、好きな人と一緒にいれる最後のチャンス。
だから……。
何されてもいい、とまではいかなくても、最後に夢を見させてもらうくらいは、いいかもしれない。
けどやっぱり怖いし、でも……。
と、永遠に答えの出ない葛藤を繰り返した。
足元にぐっと重力を感じたのち、扉が開く。
「あんただったら俺、けっこう優しくできるかも」
響平が扉を押さえてくれているのに、固まった私はその場から動けない。