今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -


年は、私と変わらなさそうだけど……。


何……? 
この圧倒的な雰囲気は。



ゆっくり視線を上げていくと耳元に光るピアスを見つけた。

左耳に、シルバーのリング。

右耳は、よく見えないけれど少し長めのチェーンタイプのものがついている。



怖くて近寄りがたいのに、思わず目を見張ってしまう美しい容姿は、綺麗すぎて冷たさすら感じた。

だけど一番冷たいのは、彼の瞳。


ただ、表れているのは侮辱でも軽蔑でもなく、感情がまるで読めない漆黒の闇だった。



「……くっそ、逃げんぞ!」


突き飛ばす勢いで手を放され、その場に尻もちをついてしまう。

唖然とする間もなく、今度は一台のバイクが激しい排気音を立てて視界に飛びこんでくるからびっくりする。


ドリフトをしながら、ふたり組の行く手を阻(はば)むように勢いよく停車したそのバイク。

だるそうにヘルメットを脱いだのは、銀色の髪をした、これまた同い年くらいに見える男子だった。


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