今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
「……響平」
どうしていいかわからなくなって、一度そらした目。
再び上げると、今度こそ完全に囚われた。
「あ……」
目の前に影が落ちる。
次の瞬間、静かに息を奪われた。
「……っぅ、」
そっと塞がれた唇。
一度触れたあと、名残惜しそうに離れていく。
近すぎてぼやけていた視界がもとに戻ったかと思えば、響平が柔らかく目を細めて。
確かめるようにじっと見つめてくる。
い、今の……キス……。
心臓の音が耳元で聞こえる。
好きな人に
――でも、好きになっちゃいけない人に
ファーストキスを奪われてしまった。
じわり、と目の奥が熱を持つ。
嬉しさと戸惑いが合わさった涙を、ぎりぎりのところで耐えた。
「きょー、へい……?」
唇が時間差で熱を持ち始める。
指先が触れ合った。
なぞって、絡まって、握りしめる。