今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -


「お前固くなりすぎ」


鼓膜を揺する声。


「力抜いて。俺に任せてればいい」

「そ、そんなこと言われても……」


ただでさえ
近くにいるだけで呼吸困難になりそうなのに……!



反対の手が、私の髪をそっとすくって耳にかける。

その流れで、長い指が頬の輪郭をなぞった。



「ふ……ぁ、」

「声カワイーじゃん。俺好み。ほら、もっかい」

「え? ――んんっ……」



2回目のキスはさっきより長かった。

下からすくい上げるように優しく触れて、少し息を入れたあと。今度は上唇を甘噛みしてくる。



「はあ……っ」


くらくらする。

呼吸のタイミングをきちんとつくってくれるのに、苦しい。



「待って、もう……っ、は、う……っ」


私がいっぱいいっぱいなのをわかったうえで、わざと唇を合わせてくる。

苦しいのに気持ちいいっておかしいかもしれない。

息ができなくてもいいからずっと塞いでいてほしい。


矛盾だらけの思考回路のせいで

いよいよ涙が滲んできた。

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