今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
その間にも、響平の手は私の輪郭をゆっくりとなぞっていて。
「……っ、やめて……」
非力ながらも手のひらで体を押し返すと、響平はピタリと動きを止めた。
「やめてほしーの?」
「……うん」
「……へえ」
止まっただけで、離れてくれない指先は、私の肌に触れたまま。
全ての意識がそこに集中してしまう。
「女に拒否られたの初めて」
とくに驚くでも怒るでもなく、淡々とした口調でそんなことを言う響平の気持ちは読めない。
「じゃあ、やめる?」
焦らすように手を置いていたくせに、今度はあっさり離された。
やめてくれた……?
安堵する……と同時に、もやっとした暗い気持ちに襲われる。
「なんだよその顔。触られんのいやだったんだろ?」
「違……くて、」
響平を拒んだのは、響平が嫌だからってわけじゃなくて。
初めから体目当てだったのかなって思ったら、悲しくなって……。