今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
あとは。
「ちょっと怖、くて」
「怖い?……俺が?」
「ううん。……響平に……私を知られるのが?」
響平のことを知りたいけど、自分のことは知られたくない。
「知られたくないって何」
自分でも、うまく言えないけど。
「こういうの……響平にとっては、どうってことないことかもしれないけど、私にとっては違うんだもん……」
「うん? んな遠回しな表現されても、俺わかんねぇーよ」
私は、今の私の気持ちを知られたくないの。
本当は、響平ならいいかもって。
そう思ってしまってる──なんて。
「勢いで……っていうか、軽い気持ちで、響平とこういうことは、したくない……」
うっかり本音がこぼれてしまう。
これは、裏を返せば──。
「軽くしてるつもり俺は微塵もなかったけど」
相変わらずの、浮き沈みのない声。
「てか、俺なりにすげえ大事にしてたつもりだったけど?」