今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
面倒くさそうなため息が一つ落とされたかと思えば、再び大きな手のひらが伸びてきた。
「どうでもいいやつなら、こんなキスとかせずにとっくに無理やり襲ってるだろ」
ほんとなの……?
これは演技じゃないの?
響平はいつまで経っても女の子に慣れた響平のままで、私は響平以外の人を知らない私なんだよ。
初めから埋まらない距離がある。
追いかけても虚しいだけ。
私がこう思ってることを響平が知らなければ、
何も始まらなくて済むのに……この人は。
「瑠花」
勝手にこじ開けようとしてくる……。
「顔上げろ。どんな表情してんのか見えねぇと、なんか嫌だ」
口元を持ち上げられて、無理やり上を向かせられた。