今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
「何、立てね―の?」
「へ? っあ、いや……」
「ここに来んのは初めてって感じだな。しかも制服とか。さすがに危ねぇわ」
そう言いながらも特に心配してくれている様子はなくて、ひとり言にも聞こえた。
「泉が――あの銀髪があいつらの相手してっから、今のうちに逃げな。襲われかけてたんだろ?」
単調に再びそう告げられて
そうだ、逃げなきゃ……と、ようやく頭が働いた。
でも、いざ立ち上がろうとすると、足にうまく力が入らない。
動けない私の隣に、相手がゆっくりかがみこむ。
「逃げねーの?」
「っ、」
「あー。もしかして、犯されたくてこの街に来たとか? たまにいるいる、そういうやつ」
「ち、違くて……!」
張りついた喉からうわずった声が出た。
「その……足に力が、入らないんです」