今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -

急いで美月ちゃんの元へ駆け寄る。



「ごめんね。ケーブルかと思って間違えて手に取っちゃって……中に戻しとくね!」


美月ちゃんの手の中にあるのは明らかに男物のネックレスなのに、気を遣ってか、それ以上は聞いてこなかった。

白色のケーブルを持って、コンセントのほうへ移動していく。


美月ちゃんが背を向けているのを確認して、ゆっくりと鞄に手を伸ばした。



チェーンで繋がった中央部分に長方形のチャームがついていて。その中には、なにかの花が彫られている。


──どうして、鞄の中に?

不思議に思いながら奥に手を伸ばすと、指先に紙切れのようなものが挟まった。
取り出した瞬間、再び心臓が跳ね上がる。


ノートを雑に破いたと見られるいびつな形の紙に、角ばった字で、1行。

【大事なもんだから返しにこいよ】

──それと、その下に。

080から始まる、9桁の数字が並んでいた。


どうして、と思わずこぼしてしまう。

きっとこれは、私が眠っているうちに、響平が入れたもの。

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