今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -


国吉くんはとても気さくで、私がこのクラスで気軽に接することができる、唯一の男子。

生徒会役員で、クラスでも頼りになる存在としてみんなから慕われている。


役員をしてるからといって、堅苦しくはなくて誰にでも打ち解けるし、アイドルのようなさわやかさで女子にもかなり人気がある。


うちの学年はクラス替えも席替えもないから、1年生のときからのお隣さんだ。



「へえー、何なに? もしかして恋の悩み?」

「……っ」


おどけた口調で返してくるのはいつものことだけど、今日はタイムリーすぎて思わず言葉に詰まってしまった。


「え……まさか図星?」

言い当てられてドキリとする。


「っ、そんなわけないじゃん」

「えー? アヤシー」


そう言いながら顔を近づけてくる。


「ほんとに違うから」

「けどさー、さっきの休み時間もスマホ開いてぼうっとしてたじゃん」

「え……? いや、私そんなことしてたかなあ」


とりあえずとぼけてみせたけど、引き下がってくれない。



「てゆーかさ。今日は髪、やたらと内巻きじゃね?」

「え……?」


ついに固まってしまう。
< 92 / 327 >

この作品をシェア

pagetop