今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
これは今朝、首元の痕を気にして念入りに巻いた結果。
Yシャツの襟で隠れるから、髪で隠す必要はないけれど、気になるから仕方ない。
「今日は内巻きの気分で……」
「ふうん? キスマークでも隠してんのかと思った」
「えっ……!」
さらりとそんなことを口にする国吉くん。
まさか見えているのかと焦るけど、きっとカマを掛けているだけだと信じて、冷静を装った。
「もう、なにヘンなこと言ってるの? そんなわけないじゃん。あはははは」
笑い飛ばしてみせても、国吉くんは目を細めたまま逃してくれない。
「ふうん、本当に?」
「本当だよ」
「じゃあ見せてよ」
「へ?」
「何もないって証拠。リボン、ほどいていい?」
長い指が伸びてくる。
思考が停止して、避けるのが遅れた。