今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
「このクラスで彼氏いたことないの、旗中くらいじゃないの?」
「うん。そうかも」
「俺が相手になってやらんこともないんだけど」
「うん? 何て?」
小さい声だったから聞きとれず、見つめ返すと
なぜか斜めに視線をそらされた。
「……だから、──」
国吉くんがなにかを言いかけたとき。
「瑠花ちゃん、聞いて! さっき寮の子と話してたんだけど……」
嬉しそうな顔をした美月ちゃんが、私の席に駆け寄ってきた。
両サイドでゆるく結んだ髪をなびかせて。
大きな目をパチパチとさせて。
ああ、やっぱり可愛いなあ、なんて思いながら耳を傾ける。
「今週の金曜日に、寮を抜け出して、暗黒街に行くことになったんだ。もちろん瑠花ちゃんも一緒だよ!」
え、もう決定事項になっちゃってるのっ!?
そんな! 困る!!
だけどキラキラした瞳を向けられると、断りづらい。