今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
「私はちょっと……。ほら、危ないし」
「そんなこと言わないで~。来年は受験で忙しくなるし、楽しむなら今しかないんだよ? 私、クラブとかいってみたいんだよね! そこでイケメンに出会ってカラオケのVIPルームとかに誘われたりしたい……! 楽しめるときに思いきり楽しもうよ~瑠花ちゃん」
どうやら本気のよう。
私が断ったとしても、美月ちゃんは他の子たちと一緒に行くに違いない。
危険な目に遭わないか心配だし……
そして私も、近いうちに、ネックレスは返さないといけないし……。
葛藤を繰り返していると、ふと美月ちゃんが隣の席に顔を向けた。
「そうだ! 国吉くんみたいな男の子がいたら怖くないよね?」
名案だというように手をたたくと、隣の席の国吉くんに向き合って。
「ね、どうかな?」
「どうかなって何が? いったいどこ行くつもり」
「金曜日の夜にね、瑠花ちゃんたちと“暗黒街”に行きたいの」
美月ちゃんがそう言うと、国吉くんはなぜか私のほうを向いて顔をしかめた。