今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
金曜日。
美月ちゃんと国吉くん、それから寮の女の子たちの計6人で暗黒街に行くことになった。
今度こそ学校にバレるんじゃないかと懸念していたけれど、3年生の寮長と仲がいい美月ちゃんが正直に相談して、裏でうまく話を合わせてもらえるようになったらしい。
さすが全方向に顔が利く美月ちゃんだと感心する。
他のみんなもアリバイづくりはクラスメイトに依頼済みだそうで、抜かりがない。
これでかなりの不安が削られた。
「制服じゃさすがにまずいよね!」
「可愛い私服買っててよかった~」
「大学生って言ったらバレるかな!?」
「暗黒街ってイケメンも多いらしいじゃん? 楽しみすぎる!!」
みんながテンションを高めていく中、私はひとり青ざめていく。
──何かあったら響平に助けを求めればいいと考えていたけど。
「ねえ、さっきから誰に掛けてるの?」
美月ちゃんに声をかけられたところで、いったん通話を切った。