秘密にしないスキャンダル
『はい、こちらKaiserのライブ会場です。
Shineのプロデューサーが叔父さんとか、陽菜ちゃんがお母さんって言うのをこっちでもモニターで流させてもらってて、もうみんなすごい反応!』

肩を揺らせて笑っている拓也は本当に楽しそうで、なあ勇人。と隣に立っていた勇人の肩を叩いていた。

『ユウナちゃんと俺や勇人との熱愛報道出てたけど、絶対に有り得ないって!
みんな理由わかるかな?』

拓也が観客席に向かってそう言うと、まだ戸惑いから抜け出せないのかみんなが揃いも揃って周囲の人と顔を見合わせているようだった。

『仕方ないなー、じゃあ教えてあげるからよく聞いてて!
ハルト君もユウナちゃんも生まれたときから知ってる……言わば俺の子供みたいな感じだから、頬にクリームがついて恋人みたいに手で掬い取ったとしてもまだまだ子供だなぁって感覚しかないんだよ。
熱愛なんて、ないない』

『……誰が誰の子供だ』

『え?何、そこに引っ掛かるの?』

普段の無表情と違い軽く眉を潜めて不満そうにする勇人に拓也が瞬きをしていると、こちらのスタジオの人が恐る恐ると言った感じに口を開いた。
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