秘密にしないスキャンダル
「あの、本当にShineの二人と越名さんは親子なんですか？」

『……ハルトとは顔は似てると思うが』

公表はしていないが何故気づかないのか。とでも言いたそうに勇人が小さく首を傾げると、ライブ会場からは、言われてみればそっくりかも……。という声が聞こえてきた。

「それならそうと、何故隠してたんですか？
公表していればこんなことには……」

「私達の夢と野望のためです」

言葉を途中で遮って言った言葉にその場にいた全員が勇菜の方を見ると、勇菜は胸を張って堂々とした佇まいで答えた。

「私とハルト、プロデューサーの夢は“誰よりも、何よりも、この世界の頂点に立つ兄妹スーパーアイドルになる”ことです。
その野望を叶えるためには有名すぎる両親の存在は隠さないといけなかったんです」

「どうして……」

『デビューしたときに両親が芸能人だってわかってたら、どれだけ人気が出ても親のコネだとか七光りだとか言われるでしょ？』

モニターはいつの間にか二画面になっていて、左半分に映し出された陽人の言葉に美佐以外の全員が納得したように頷いた。

『だから僕達は自分達自身の実力で有名になるまで兄妹であることと名前が“ハルト”と“ユウナ”と言うこと以外は非公開にしたんです』

ま、今回は仕方なくの公表になりましたけど。と陽人が肩を竦めたので、勇菜は謝罪の意味を込めて手を合わせて軽く頭を下げておいた。
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