秘密にしないスキャンダル
「さて、これで私がKaiserの二人とも親しい理由はわかってもらえたと思いますが……後はマネージャーとの熱愛、でしたっけ?」

「いえ、マネージャーとの熱愛は……」

「ないと思いますね……。
視聴者の方にはわからないでしょうけど、マネージャーさんが今すごく迷惑そうにこちらを睨んでます……」

長年陽菜のマネージャーとしていろいろな現場に行くことが多かった堀原はここにいる出演者やスタッフとも顔見知りなのだが、みんなが今まで見たこともないような表情でスタジオの出演者を睨んでいて勇菜は苦笑した。

「では、これら全ての写真はスキャンダルなどではないことはご理解いただけましたか?」

「そうですね、これではスキャンダルとは言えないと思……」

「スキャンダルです……」

男性のコメンテーターの言葉を遮り、さっきまで悲しそうに声を震わせていたはずの美佐は憎々しげにそう呟くと、いつの間にか俯かせていた顔を勢いよく上げて勇菜を睨み付けた。

「付き合ってる男性がいるのに、こんな騒動を起こすような軽々しい行動をとっていること事態スキャンダルだと思うわ!!」

「軽々しい、ですか」

それは誰のことでしょう?と尋ねると、美佐はあなたのことに決まってるでしょう!?と叫んだ。
番組の始まりとは違う美佐の変わりように勇菜達以外のその場にいた驚いていると勇菜は、はて?と首を傾げた。
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