秘密にしないスキャンダル
「このあと家においでってお母さんが言ってたけど来る?」
「えっと、越名さんもいるのかな?」
「お父さんは全国ライブツアーの真っ最中で暫く帰ってこないよ」
にこにこと笑顔で言うと、隆矢は複雑そうな表情で微笑んだ。
あれから勇菜も隆矢も勇人とは会えてもないし連絡もとれてない。
普段は勇菜から勇人にメッセージを送ったり電話したりするのだけれど、隆矢とのことで喧嘩してからは一切連絡を取っていなかった。
「それならやめておくよ。
ちゃんと越名さんに認めてもらってから遊びに行く」
「……隆君は真面目だよね」
わかっていた答えに勇菜は苦笑すると、それだけ本気だからね。と照れたように言われた。
ああ、好きだなぁ。と隆矢を見上げていると、視界の端に大きなビルに取り付けられている大型ビジョンが入った。
何の気なしにそちらの方に視線を向けると、そこに映された人物に勇菜は目を見開いた。
「隆君、あれ……」
「草野さん……?」
大型ビジョンに映された美佐は記者会見の真っ最中のようで、右上の端の方に大きな字で“草野美佐引退”と書かれていた。
「えっと、越名さんもいるのかな?」
「お父さんは全国ライブツアーの真っ最中で暫く帰ってこないよ」
にこにこと笑顔で言うと、隆矢は複雑そうな表情で微笑んだ。
あれから勇菜も隆矢も勇人とは会えてもないし連絡もとれてない。
普段は勇菜から勇人にメッセージを送ったり電話したりするのだけれど、隆矢とのことで喧嘩してからは一切連絡を取っていなかった。
「それならやめておくよ。
ちゃんと越名さんに認めてもらってから遊びに行く」
「……隆君は真面目だよね」
わかっていた答えに勇菜は苦笑すると、それだけ本気だからね。と照れたように言われた。
ああ、好きだなぁ。と隆矢を見上げていると、視界の端に大きなビルに取り付けられている大型ビジョンが入った。
何の気なしにそちらの方に視線を向けると、そこに映された人物に勇菜は目を見開いた。
「隆君、あれ……」
「草野さん……?」
大型ビジョンに映された美佐は記者会見の真っ最中のようで、右上の端の方に大きな字で“草野美佐引退”と書かれていた。