秘密にしないスキャンダル
「ほら、みんな喜んでるでしょ。
だからユウナちゃん、もっと恋人……一ノ瀬君にするみたいな表情してみて」

「ハルト相手にですかー？」

ずっと一緒にいる相手を前にどう恋人みたいな表情をするのかと悩んでいると陽人が誰にも聞こえないくらい小声で、そう言えば……。と呟いた。

「隆矢がユウナのこと、付き合いはじめてからすごく可愛くなったって言ってたな……」

「え……本当！？」

「本当本当。
前から可愛かったけど、さらに可愛くなって困るって」

「そ、そうかなぁ……」

自分の知らないところでそんなことを言っていたと聞かされて勇菜は頬を染めながらはにかんだ。
陽菜に肌を綺麗に保つ秘訣を聞いて実践して良かったと思っていたら、周りからの声のない叫びや目を輝かせている女の人達、カメラマンが必死に写真を撮る姿や陽人の、扱いやすいな。と思っている表情など目に見えていなかった。

「二人ともすごく良い写真が撮れたよ！
見てみるかい？」

「あ、見せてください！」

ようやくカメラマンからのオッケーが出て我に返った勇菜が陽人から離れてカメラマンに駆け寄ろうとしたとき、周りから先程とは違う叫び声が聞こえた。
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