秘密にしないスキャンダル
「堀原さん、飲み物何か買ってきますね」
「待て、俺も……」
「一人で大丈夫ですよー。
行ってきます!」
事務所近くのダンススタジオでみっちり練習をしていた勇菜は四時間以上の練習をしてから休憩するため堀原に断りを入れて部屋を出た。
昨日隆矢と抱き合いながらたくさん話したおかげで元気が出た気がしている勇菜は練習後とは思えないくらい足取り軽く歩き、一階にしかない自動販売機に向かおうと階段を下り始めた。
ドンッ!!
と突然背中に衝撃が走り、あっ!と思ったときにはすでに体は宙に投げ出されていて、勇菜はやってくるであろう衝撃に備えて強く目を瞑った。
ドサッ!!
と派手な音がしたけれど思ったより痛みはなく、痛むどころかどこか安心感のある温もりに包まれていたことに気付きゆっくりと目を開いた。
「……大丈夫?」
「え……どうして……」
目の前にいたのは勇菜を受け止めきれずに尻餅をつく形となった隆矢で、一瞬顔をしかめたかと思うとぎゅっと勇菜を抱き竦めた。
「隆く……」
「もうやめてもらえませんか、草野さん」
今まで聞いたことのないような怒りを押し殺したような低い声で隆矢が発した名前に勇菜はピクッと反応して反射的に振り返ろうとするも、隆矢にしっかり頭を抱えられていてそれは叶わなかった。
「待て、俺も……」
「一人で大丈夫ですよー。
行ってきます!」
事務所近くのダンススタジオでみっちり練習をしていた勇菜は四時間以上の練習をしてから休憩するため堀原に断りを入れて部屋を出た。
昨日隆矢と抱き合いながらたくさん話したおかげで元気が出た気がしている勇菜は練習後とは思えないくらい足取り軽く歩き、一階にしかない自動販売機に向かおうと階段を下り始めた。
ドンッ!!
と突然背中に衝撃が走り、あっ!と思ったときにはすでに体は宙に投げ出されていて、勇菜はやってくるであろう衝撃に備えて強く目を瞑った。
ドサッ!!
と派手な音がしたけれど思ったより痛みはなく、痛むどころかどこか安心感のある温もりに包まれていたことに気付きゆっくりと目を開いた。
「……大丈夫?」
「え……どうして……」
目の前にいたのは勇菜を受け止めきれずに尻餅をつく形となった隆矢で、一瞬顔をしかめたかと思うとぎゅっと勇菜を抱き竦めた。
「隆く……」
「もうやめてもらえませんか、草野さん」
今まで聞いたことのないような怒りを押し殺したような低い声で隆矢が発した名前に勇菜はピクッと反応して反射的に振り返ろうとするも、隆矢にしっかり頭を抱えられていてそれは叶わなかった。