秘密にしないスキャンダル
その後のユウナのゲームは先程の隆矢のことでずっとからかわれ散々な結果となったけれど、陽人がそれをスマートにカバーした上に対戦相手を打ち負かし、見事優勝した。

「今回の優勝はShineのお二人……と言うかハルト君の一人勝ちでしたー!!」

共演者も観客もすっかり陽人に熱を上げてしまったように盛大な拍手が鳴り止まない。
次の機会があれば絶対自分の力で優勝してやると心に固く誓った勇菜は優勝商品をしっかり抱き締めた。

「お疲れ様でした」

「「お疲れ様でした」」

共演者やスタッフ、観客の人達に挨拶をして控え室に戻り急いで帰る準備をする。
そわそわしながら用意の終わってない陽人をチラチラ見ていると呆れたような表情をされた。

「俺はゆっくり準備してくから勇菜は先に堀原さんと隆矢のところに行ってこいよ」

「え!?いいの!?」

「むしろその言葉を待ってただろ」

堀原さん、お願いしまーす。と陽人が言うと堀原は頷きドアを開けた。

「じゃあ先に行ってるから、また後でね!」

手を振って意気揚々と部屋を飛び出すと、転けるなよー!と忠告する陽人の声が聞こえてきた。
転けませんよー。と思いながら堀原のすぐ後ろを歩いていると、控え室から大分離れたあるスタジオの入り口に使用中のランプが光っているドアの前につき、勇菜はワクワクしながらそっと扉を開けた。
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