秘密にしないスキャンダル
「ん……」
「勇菜?起きたの?具合は?気分が悪いとかない?」
目が覚めてぼんやりしていると、陽菜が顔の前に身を乗り出してきて心配そうに見下ろしていた。
ずっと握っていてくれたのであろう左手に暖かさを感じながら、大丈夫。と答えると陽菜は目に見えて安堵していた。
「ライブ中の騒動で倒れてしまったのは覚えてる?
催涙スプレーが巻かれていたし駆け付けた救急車で運ばれて、疲れてたのもあって丸一日眠ってたの」
「催涙、スプレー……」
そっか、それで目を痛がってる人や涙を流してる人達がいたのかと納得すると、勇菜は気になっていることを聞いた。
「お客さん達とスタッフさんは?隆君は?お兄ちゃん……それから、草野さん、は……?」
「全部話すわ……だから、落ち着いて聞いてね」
眉を下げ小さく微笑む陽菜に勇菜は微かに頷くと、どこから話そうかな……。と少し悩みながらも陽菜は簡潔に勇菜が知りたかったことを話してくれた。
会場にいたお客さん達やスタッフのほとんどの人はすぐに催涙スプレーの効果は消えたけれど、中には気分が悪くなったとか違和感があると言う人もいて、その人達は大事をとって救急車で運ばれて検査を受けたこと。
隆矢はライブ前に変装した美佐を見かけてスタッフに忠告していたこと、陽人は朝陽と一緒に勇菜が受けた美佐からの嫌がらせの証拠を所持していることから今警察の事情聴取を受けていること。
そして、美佐は駆け付けた警察に捕まったことーー。
「勇菜?起きたの?具合は?気分が悪いとかない?」
目が覚めてぼんやりしていると、陽菜が顔の前に身を乗り出してきて心配そうに見下ろしていた。
ずっと握っていてくれたのであろう左手に暖かさを感じながら、大丈夫。と答えると陽菜は目に見えて安堵していた。
「ライブ中の騒動で倒れてしまったのは覚えてる?
催涙スプレーが巻かれていたし駆け付けた救急車で運ばれて、疲れてたのもあって丸一日眠ってたの」
「催涙、スプレー……」
そっか、それで目を痛がってる人や涙を流してる人達がいたのかと納得すると、勇菜は気になっていることを聞いた。
「お客さん達とスタッフさんは?隆君は?お兄ちゃん……それから、草野さん、は……?」
「全部話すわ……だから、落ち着いて聞いてね」
眉を下げ小さく微笑む陽菜に勇菜は微かに頷くと、どこから話そうかな……。と少し悩みながらも陽菜は簡潔に勇菜が知りたかったことを話してくれた。
会場にいたお客さん達やスタッフのほとんどの人はすぐに催涙スプレーの効果は消えたけれど、中には気分が悪くなったとか違和感があると言う人もいて、その人達は大事をとって救急車で運ばれて検査を受けたこと。
隆矢はライブ前に変装した美佐を見かけてスタッフに忠告していたこと、陽人は朝陽と一緒に勇菜が受けた美佐からの嫌がらせの証拠を所持していることから今警察の事情聴取を受けていること。
そして、美佐は駆け付けた警察に捕まったことーー。